俺は、木嶋に謝った。

「俺を元気づけようとしてくれたのに、ほんとにごめんな。…」
「いいの。私の言葉使いも下手くそだったと思うし…」
「いや、俺はまだ飛べるって言ってくれただろ?あれ、ほんとはすごく嬉しくて…お前となら飛べそうな気がした。」
そう言って笑うと、木嶋も笑った。

「ネックレス付けてきたんだ。」
「わ、私も!」

「なんだよ、ペアネックレスじゃん!」
「いいだろ」
「俺だってペアのものぐらい…いつか買う!」
俺は、笑った。
「誕生日にでもあげろよ、彼女喜ぶんじゃねぇの?」
「おう!」

春休みも終わり、俺達は二年になった。俺達は、同じクラスになれた。
「あ、あの!」
帰り、木嶋と一緒に帰る約束をして待っていると、声がした。
「おう、木嶋…って、どうした?」
「あ、あの、えっと……歩きながら伝えるね…」
「?」

「…成宮くんって、いつも学食でしょ?だ、だから、二年生からは、わ、私が作ってあげるよ。あの、迷惑じゃなければ!」
「まじで?嬉しー!そろそろ金もピンチで…」
「良かった…」
そう言ってほっと笑う彼女を見て、なんだか可愛いなと思った。

優しさが、溢れる。
俺なんかのために、してくれてるってのが、凄く嬉しい。

柔らかな色が、俺の中に。

それは、

その時は気づかなかった、

俺の中で初めての色だったということに。