「どういう意味?」
「……言葉通りよ。私の成長はここまでなの。…そういう病気っていうか…体質っていうか…」
「え……と」
木嶋は悲しそうに笑った。

小さい頃から、ずっと聞かされてきた。
「あなたは、16から先へ成長できないの。」
お母さんも、お父さんも悲しそうにそう言っていた。
私は、死ぬわけじゃないからって思ってた。だけど、

「……私はこのままでも、あなた達は成長しちゃうでしょ。なんか、置いてかれるみたいで…隣にいるには、私は幼く見える。」
「そんなこと…」
「だって、成宮くんがおじいちゃんになっても、私はこのままなんだよ…?」

「だからね、高校卒業したら、私ここから離れようと思って。」
「え…」
「だから、次、二人だけのお出かけが、最後にするって…決めたの。」
私は、成宮くんを見た。悲しそうな、困惑している瞳で私のことを見ている。
「そっか」
成宮くんは言った。
そして、
笑った。

「え……?」
「俺、気にしないよ。って言っても、木嶋が嫌なんだよね。…でもさ、俺高校卒業してからも、お前と一緒にいたい。俺は……」




「年をとったって、取らなくたって、お前が好きだよ。大好きだよ。」




私は涙が溢れて止まらなかった。
「……っ」
「たぶん、水沢だって、朝野だってそうだ。あ、でも、俺の好きは友達のじゃなくてだな…」
「……あり、がと……」

俺は照れくさくなった。
告っちまったな…そんな予定じゃなかったんだけどなぁ。
「でも、私は……」
「あ、そーいえば、俺お前から手紙もらってたんだ。」
「え?」
「未来のお前から。でさ、木嶋宛のがあったんだ。俺宛じゃなくて。」
「……?」