学校でも、私達の頭の中はオウジのことばかり。

樹里がもともと中学の時から海晴くんと仲が良かったため、私、樹里、海晴くんが一緒にいてもそんなに女子からの冷たい視線を受けることがなくなった。


「学校の中が一番、思い出せる気しない?」


「そうだね。私も放課後探索してみるよ」


樹里と私のランチタイムになぜか海晴くんが参加しているという奇妙な状況も、3日経てば慣れてくる。


とは言え、私のお弁当箱の中身は以前よりもちょっと豪華。


だって、


「あ、から揚げ」

子どものような純粋な瞳で見つめられると、

「いる?」

つい、聞いてしまう。


「うん」

から揚げをぱくっと口に入れて、

「おいしい」

きらきら目を輝かせちゃって。

かわいいったら。


「なずな、久保川に甘すぎ」

樹里がまた眉間にしわ寄せて不機嫌そうな声を出す。