そわそわして海晴くんがいる右側の肩なんか凍っちゃったみたいに動かない。

「で、ここにオウジがいたってことだよね?」

そう言ってオウジがいたあたりに海晴くんが立ってフレームアウトすると、

「あ、今ほんとに撮ってるんだから…動くな、オウジ」

樹里が口走ると、私たちは固まった。


「今、なんて?」

「動くな、オウジ」

樹里の言葉に続けて、

「俺のだからってふざけんなよ、オウジ」

海晴くんがつぶやいた。


「こんなやり取り、なかった?」

あの時、オウジのスマホで先に撮ったんだ。

その後、海晴くんが俺のでも撮ってよ、って言った。

それで、写す瞬間フレームアウトして…


「なに?この感じ。もやはかかってるけど、なんとなく思い出してきた?」

樹里が目をまん丸くしている。

私の中でも、分厚かった壁が少し薄くなってきたような、そんな風に思えた。


「他にも何か思い出せないかな。他にどんなことしたんだろうね」

私の言葉に、2人ともしばらく考えて、


「これ以外今は思い浮かばないね」

ため息をついた。