「転校した生徒は、いないですけど...どうかしました?」

「いえ...なんでもないです」

私は、ふなだっしーにそう答えると駆け足で校舎の外に出た。

怪しいと思っただろうし、逃げるように立ち去る私をふなだっしーはどう思ったかなんてことは、考える余裕もなく、ただ走った。

どういうこと?いなかったの?
でも、机もあったし...
あの画像だって...


誰なの、一体。


渦巻く疑念が次から次へと頭の中に湧き上がってくる。

体育館の横にある講堂まで走り、バテた私は、外階段に座り込んだ

一体なにが起っているのか。
私の頭がおかしくなってしまったのか。
でも、それを言うなら久保川くんや笹中さんだっておかしいことになってしまう。

膝を抱えて目を閉じて、ぐるぐると同じことばかり。答えの出ない問いを繰り返していた。