もし、あの画像のシロップがあったら、それは現実だ、ということになる。


キッチンに向かって急いだ。

冷蔵庫を開けたが、見当たらない。

「ないなぁ。捨てたのかな」

野菜室を開けると、奥に瓶が見えた。


手を伸ばして掴むと、出てきたのは…


「酢?なんだよもう。紛らわしいな」


野菜室を閉めて振り返ると、


「ちょっとぉ、何1人で喋ってんの?」


いつの間にか帰ってきていた母が怪訝な顔で私を見ていた。


「あ、おかえり。ねえ、シロップ知らない?」


娘の奇行に、驚いた表情のまま…

「帰るなり早々、シロップって?何?かき氷、今から食べるの?太るよぉ?」


キャリアウーマン臭が漂う、スーツ姿。

すらっと伸びる細い脚。


ショートカットがよく似合う、キリッとした顔。


私のこのボケっとした顔はどこから来たのやら…