「何?」

私まで、驚いた声を出してしまった。


「あの、えっと…その」


いつも快活な海晴くんには珍しく、ゴニョゴニョと口ごもっている。

目も泳いでるし、辺りをキョロキョロ見回し始めた。


「な、何…」


海晴くんの謎な表情に、だんだん不安になる。

どういう意味?

表情から読み取ろうとしても、なんだかよくわからない。


目の前を、おじさんがジロジロと見ながら通り過ぎる。


なんだかすごい見られてる?


他校の男子が3人でこっちを見ている。

何?怖いんだけど…


なんか付いてる?

顔変?


そう思った時、

「ごめん」

そう言って、海晴くんに抱きよせられた。


私は固まったまま、でも、体は海晴くんの温度を感じつつ…


「チッ。男で見えなくなったじゃん」


そう言って男子達が通り過ぎた。

どういう意味?

パチクリとまばたきする私に、

「あの、透けてる…」


私の耳元で、海晴くんが囁いた。


「えっ?」


ガバッと海晴くんから離れて、自分の胸元を見ると…


なんということでしょう。
ブラが!透けてるじゃないですか。

ヤダ、どうしよう…


思わずしゃがみこんだ。