「菊地くん?」


あたしはもう1度声をかける。


2度目の声かけと同時に彼はすくっと立ち上がる。


「あ、菊地くん!終わったの?」


あたしはめげずに声をかける。


「あんた誰」


やっと口を開いたと思ったら不機嫌そうな声。


「同じクラスの形原愛音だよ」

「ふーん」


菊地くんはそれだけ言ってスタスタと歩き出す。


「なかなかガードが硬いね」


一部始終を見てた希望が笑いながらやってくる。


「明日も明後日も帰りはここにくる!」

「なしたのよ急に」

「仲良くなりたい」


素直にそう思ったんだ。

なんでだかわからないけど。
彼に見てもらいたいそうおもった。