「待って、お前勘違いしてる?」

「え?」

「や、たしかにまだ彼女じゃないよな...」


菊地くんが難しい顔になる。


「菊地くん?」

「ちゃんと告白してないから怒ってる?」

「ん?」


菊地くんの言葉に首をかしげる。


「えっと、俺形原が好きなんだけど」

「え?」


菊地くんの突然の言葉にびっくりして片原くんを見つめる。


「あれ、知らなかった?」

「菊地くんの好きな人って昨日の人じゃないの...?」


あたしは昨日の綺麗な女性を思い浮かべる。


「奏芽さんのこと?」

「...うん」


大切そうに名前を呼ぶ姿に嫉妬の心が募る。


「お前、どこまで昨日聞いてた?」