* *
放課後。
私のサバイバルはまだまだ続きます。
それは……
「いーりーえーくんっ、一緒にかーえろ!」
「……」
帰り支度をしていると、他クラスの女子に誘われている入江くんが遠目に窺えた。
わーお、あいっかわらずおモテになることで。
所詮、他人事。
最近はあんまり見なくなってた光景だと、しみじみ思いつつ観察していると。
ばちり。
入江くんとお目々がばっちり合いました。
そしてかかる、無言の圧力。
分かる、私には貴方の心の内がよぉーく分かる。
きっとあのお方は心の中で舌打ちをしながら、『おいこら助け出せ今すぐに』と私に訴えかけていることでしょう。
ほーら証拠に、しばしば視線を交わしてくるあのわざとらしい仕草。
おまけに目が合った瞬間のそれは恐ろしい形相に背筋が冷えた。


