教えて、うたくんのこと。



「――してやる」


突然、大きな身体に包み込まれた。

裏門の前で、細身なのにガシッと受け止めてくれた、あの腕だ。……あの胸だ。


「俺が幸せにしてやる。柏木のこと」

「うたくんが……?」

「そのために、一つ条件いいか」


それは、わたしに達成できることなのだろうか。


「条件って、なに?」

「聞くまでもないだろ」

「……想像できないから聞いてるのに」

「耳貸してみ」

「……?」


うたくん口元が、

息が掛かりそうなくらい耳の近くにある。


まさか噛み切られたりしないよね。


「……ねえ、うたく――」

「柏木が俺の女にればいいだけ」




Fin.