教えて、うたくんのこと。



「うたくん……」

「話してみろ」


うたくんになら。


うたくんになら、言えるかもしれない。


――わたしの、話。


「……あのね。うたくん」

「うん」

「いつも人に囲まれてるうたくんが、憧れだった」

「終始愛想笑いだけどな」


それでも、人を寄せつける魅力があることは、素敵だなぁって思う。


「うちに帰ると、誰も、いなくて」

「……うん」

「…………」

「柏木?」

「……いや、なんか。こんな暗い話をして。いいのかなって」


すると、うたくんの手が、頭に乗せられる。


「それで?」

「わたしは、うたくんが羨ましいよ。自分のこと思ってくれる人が身近にいるうたくんが、羨ましいよ」

「柏木は昔からなにもかも自分でやってきたのか?」

「……うん。わたし、一人ぼっちだから」

「一人?」

「いい子にしてたら帰るからって言われてた」

「……だから真面目に生きてのか」

「そうだよ。でも、ダメだった。いくら勉強頑張っても家のことできるようになっても、わたしは一人なの」

「…………」

「はい、おしまい。わたしの話はこれ以上しても盛り上がらない。……ハッピーエンドなんてない」