教えて、うたくんのこと。



わたしもわからないよ。

どうしてあなたに近づくかなんて。


でも、気になるんだもん。


これまで色んなわからないことがあった。


考えて解決するものもあれば


考えても、考えても

――未だに解決していないこともある。


「普通ついて来ないだろ。俺に興味なきゃ」

「あるよ?」

「……なんだそれ」

「うたくん、覚えてないかな。わたしが黒板消してたときに上の方届かなくて困ってたら――通りがかったうたくんが、なんにも言わずに消して行ってくれたことあったよね」


わたしが、ありがとうって言って。

うたくんは、どういたしましてって言った。


それ以上の会話はしなかったけど――。


「……さあ。そんなことあったかな」

「うたくんにとって小さな親切だったかもしれない。でも、わたしは凄く嬉しかったよ。それから、うたくんと関わること一切なかったけど。どんな人なんだろうって気になって」


優しくて明るい、人気者だということがわかった。


なのに意外と口は悪いしイジワルだということを知った。


それに、あの日――。