稲穂の言葉で、俺の中に巣喰っていた暗い暗い闇が、一瞬で晴れたような気がした。 あぁ、そうか。 お前はあの時、そう言ってくれようとしてたのか。 だから、あのLINEをくれたのか。 最後に、俺に会いに来てくれたのか。 「……ま、どか……っ!」 その場に泣き崩れた俺を、稲穂は朝になるまで抱き締めてくれていた。