なんでそう思ったか分からないけど、なんとなく、そんな気がして。 由紀の顔を見て、涙が零れた。 由紀の手を離して、一人で家の中に入った。 リビングを抜けて、キッチンに入り、母さんが持っていた包丁を奪った。 母さんが、顔をあげる。 俺は、両手で包丁を握り、高く腕を振りかぶった。 そして、……………。 最後に覚えているのは、由紀の顔だった。