「あのね。ママ。今日、お友達とケンカしちゃって。」
そこまで話すとコップを耳に当てる。
「そう。…つらかったわね。」
フフッ。「わね」って本当にママみたい。
お互いに少し話すと沈黙が交代の合図。
口に当てていたコップを耳に、耳に当てていたコップを口に移動する。
「だってね。友達がケイちゃん…っていうお兄ちゃんが出来たんだけど、ママ知ってる?」
「えぇ。知ってるわ。」
「お兄ちゃんの悪口を言うんだもん。パパのこともよ。それで悲しくなっちゃって。」
「そう。心愛ちゃんは優しいのね。」
「そんなことないよ。友達に怒っちゃったし。」
「仲直りしたい?」
「それは…。」
佐藤仲間で仲良くて、集まれば楽しかった。
それに拓真の言ったことは図星だったから余計に怒れちゃったんだと思う。
やっぱりパパとお兄ちゃんなのにおかしいのかなって。
ぼんやり耳に紙コップを当てていると優しい声が届いた。
本当にママがそこにいるみたいな優しい声。
「心愛ちゃんならできるわ。だってママの子だもの。」
自然と涙が溢れた。
いつも手紙にママが書いてくれる言葉。
そして生前もいつも何かあれば言ってくれた言葉。
「うん。そうだね。ありがとうママ。私もママのこと愛してる。」
紙コップをテーブルに置くと溢れる涙を拭った。
本当にありがとう…ケイちゃん。
そこまで話すとコップを耳に当てる。
「そう。…つらかったわね。」
フフッ。「わね」って本当にママみたい。
お互いに少し話すと沈黙が交代の合図。
口に当てていたコップを耳に、耳に当てていたコップを口に移動する。
「だってね。友達がケイちゃん…っていうお兄ちゃんが出来たんだけど、ママ知ってる?」
「えぇ。知ってるわ。」
「お兄ちゃんの悪口を言うんだもん。パパのこともよ。それで悲しくなっちゃって。」
「そう。心愛ちゃんは優しいのね。」
「そんなことないよ。友達に怒っちゃったし。」
「仲直りしたい?」
「それは…。」
佐藤仲間で仲良くて、集まれば楽しかった。
それに拓真の言ったことは図星だったから余計に怒れちゃったんだと思う。
やっぱりパパとお兄ちゃんなのにおかしいのかなって。
ぼんやり耳に紙コップを当てていると優しい声が届いた。
本当にママがそこにいるみたいな優しい声。
「心愛ちゃんならできるわ。だってママの子だもの。」
自然と涙が溢れた。
いつも手紙にママが書いてくれる言葉。
そして生前もいつも何かあれば言ってくれた言葉。
「うん。そうだね。ありがとうママ。私もママのこと愛してる。」
紙コップをテーブルに置くと溢れる涙を拭った。
本当にありがとう…ケイちゃん。

