今日はケイちゃんのバイト先で快気祝いや養子縁組の報告とお祝いをすべく、みんなが集まっていた。

 主役のはずのオーナーとケイちゃんは朝から忙しそうに仕込みをしている。

 こういう時に何も力になれないっていうか、ただのお邪魔虫なんて申し訳ない気分になる。

 なのにケイちゃんは楽しそうに「ココはいてくれるだけでいいから」なんてあまあまな言葉を耳元でささやく。

 今の絶対にオーナーの前でわざと私をからかってるんだ!

 真っ赤な顔で耳を押さえる私にケイちゃんはクククッと笑ってるし、オーナーは

「仲いいっていいねぇ。これからもケイを頼むよ!」

 って 冷やかしの言葉を向ける。

 仲いいって言うか…って言うか…ソウデスネ。イインデスヨネ。ハイ。

 翔くんは前に話していた彼女を連れてきていた。

「今は式場巡りで忙しいんだ。」

 少し照れている翔くんが新鮮。

「私はどこでもいいんだけど、翔くんが迷っちゃって驚き。」

 ふわっと笑う彼女さんが可愛い。

「いっそハワイでみんなもバカンスしちゃうってのもいいかなとか思ったりなぁ。」

「いいね!楽しそう!」

 それにしても式場を迷ってるなんて幸せな悩み。
 私も二人の幸せオーラ浴びておかなきゃ。

 黙ってたルーくんが挑戦的な文言を口にした。

「俺も翔の結婚式までに心愛に負けないくらいの奴を連れてくから。」

「奴って…女の子だよね?」

「瑠羽斗は男友達を連れてくのが精一杯!」

 翔くんが肩に腕を回してじゃれついてる。

「うっせー!兄弟の結婚式に友達連れてく奴がいるか!あほか!」

「ルーが女装すればいい。」

「おやじまで!うっせー!」

 おじさんの修一さんまで加わるとその場は大騒ぎだ。

 修一さん…。だからルーくんが男の人と結婚してもいいんでしょうか…。

 そんな3人を横目に桜さんは涼しい顔。

「フフフッ今日も賑やかね。」

 桜さんくらい寛大じゃないと男ばかりの元気な家族ってやっていけないのかもね…。