出掛ける準備をしながら考える。

 パパは心配性だからケイちゃんを護衛的な役割に任命したとか?

 でもそれなら別に桜さんのところに住まわせてもらうっていう話も何度か出たこともあるのに…。

 それをしないでケイちゃんをお兄ちゃんとして…。どうしてだろう。

 だってパパは異性と遊んでいるだけで8時に迎えに来るようなパパだよ?
 ケイちゃんがお兄ちゃんじゃないなら、そんな人を一緒に住まわせるのかな…。

 しかもあのお色気だだ漏れの…。

 …………。でも私、襲われそう!とかそんなこと全然ない。
 パパに約束させられているらしいスキンシップ以外は何も…。

 そりゃ向こうは妹として接しなきゃいけないんだろうけど………私って魅力ゼロってことかな。

 またもや頭の中がごちゃごちゃになって、うぎゃー!って叫びたくなっていると後ろでクククッと笑われた。

 えっ…と。いつからいましたか?ケイちゃん。

「ココって面白いよな。一人で百面相してた。」

 腕を回されてギュッとされる。ドキドキするけど、これは家族としてのスキンシップですよね。


 バイト先に行く前に時間があるからとケイちゃんが行きたいと言った本屋さんに行く。

「…。それ本当に日本語で書かれてる?」

 ものすごく難しそうな本を手に取って何冊かを迷っているみたい。

「日本語がご不自由でしたっけ?お姫様?」

 クククッと笑うケイちゃんはまた私をバカにしてる。
 憎たらしいって思うのに幸せを感じちゃう私はやっぱりまずいよね。

 本屋さんの後は私が行きたい雑貨屋さんへ。なんだかデートみたい。

 隣を歩くケイちゃんを見て、へへへって笑ってしまう。

「なんだよ。」

「ううん。別に。」

 こんな日がずっとずっと続けばいいのになぁ。