幼なじみの秘め事

「おい。心羽」


あたしの机にぼんっとカバンを置く。


「なによ」

「お前LINE無視すんなよ」

「めんどくさい。そして理由はもうわかってる」

「は?」

「噂でもちきりだよ」


あたしは愛望ちゃんの席を指す。


「...終わった」

「そんなんでおわら…」

「大翔くん!」


あたしの会話を遮って愛望ちゃんが駆け寄ってくる。


「...岸田」


岸田ってのは愛望ちゃんの名字。


「昨日はどうも」

「いや、べつに」


大翔はどこか不機嫌。


「ねぇ、また遊びに行こう」


愛望ちゃんが大翔の腕に触れる。


「...いや、もういいわ」

「え?」

「そーいうの求めてないから」


大翔はそう言って自分の席に行く。