「なかなか可愛い寝顔だったぞ?」
「な!?」
若も人が悪いな…
照れるとわかって言ってるなんて…
凜華さんが可哀想に思えてきた。
「俺はこれから少し出かけるが、
秋芭を残していく。
出掛けたかったら出てもいいぞ?
金の心配ならすんなよ…
これはお前のためのものだからな」
「え、あ、はい」
意味があまり分かっていない様子だが
若を玄関まで見送った後は
なにをしていいのか分からない様子だった。
「どうしますか凜華さん」
「えっと…どうしましょうか」
この人のことだから渡されたお金は
使いたくないとか
思っていそうだけど、あの若は言葉が足りない
「凜華さん、そんなに悩まなくても
気軽に考えてくださっていいんですよ?」
「で、でも、私は…」
「怖いですか?」
「っ」
「凜華さん?」
顔色の悪くなった凜華さんに
近づくが震えていてなにを考えているのか
わからない。
「凜華さん!?」

