side秋芭
他の人とは何かが違うとは思っていた。
雰囲気も接し方も…
あの人のすべてが今まで見てきた奴らとは
違っていた。
その作り笑顔のしたには
どんな顔が隠れているのだろうか…
それこそが、本当の貴方なのか…
気になるな
ー数日後ー
今日も若は姐さん…凜華さんの傍にいる。
あの時の傷がまだ治っていないからなのか、
ただ単に心配なのかはいいとして…
こんなに女を心配する若を見たのは初めてだ。
「何々、秋芭も気に入ったの?」
「離れろ柚希、馬鹿が移るだろ」
「てっめぇ!」
「おい、うるせぇぞ」
「すみません若」
若の視線の先には眠っている凜華さん。
それを見つめている若は
まるで、姐さんと一緒にいる時の組長そっくりだ。
あの人も姐さんと会ったときは
こんな姿だったのかと思うと
本人にはいえないが可笑しな光景だ。
「ん…あれ、寝てた?……」
「おはよう凜華」
「おは……っ、な、なんで!」
目の前に若がいた事に
驚いているのかすぐに距離をとってしまった
凜華さんは顔を真っ赤にしながら
口をパクパクさせていた。

