ポンポン



「え?」


「泣きたきゃ泣け…そのために俺はいる」


「な、泣かないですよ」



この人は時々怖く感じる
全部見透かされているような感じで
何も隠しきれなくて…



「…凛華、お前の…」


     ガチャッ 


「迎えに来たよん蓮夜~!」



入ってきたのは柚希さんともう1人は
今日、始めてみる人だった。



「てめぇ」


「え?な、なに?」


「あー!れ、蓮夜さん!珈琲冷めましたよね!
お二人の分もお持ちしますので座っていて下さい」



このままだと柚希さんの身の危険を感じ
私はとっさにそう言って台所に入る。
するとそこには、もう1人の側近である
名前は確か…相楽秋芭さん、だった気がする




「あ、あの、珈琲なら私がいれますので
 休んでいて下さい」


「いえ、姐さんにやっていただくなんて」


「……姐さん?」



いったい何のことを言っているんだ?
姐さんってあれだよね?
組長の奥さんが呼ばれるあれ…



「若は本気ですよ」


「あ…そう、みたいですね
 私なんかのなにがいいんでしょうね(苦笑」


私には何にもないのに…
どこに好きになる要素があるのかわからない。



「貴方は若を信じられませんか?」


「……人を信じるなんて、簡単にできる訳ないんですよ?
 人はすぐに裏切るんだから」