「ほーら、学校遅れちゃうよ!早く支度して」

「………」

「おーい、聞こえてる?チカちゃーん!」



起きてるくせに呼びかけても無視してくるチカちゃんは、ただいま反抗期の真っ最中。




中1までは可愛い可愛いチカちゃんだったのに中2から少しずつ捻くれ始め、高1の今では完全反抗期状態だ。




「もう、またそーやって無視して!チカちゃんのその反抗期はいつになったら治るの?」

「…別に反抗期じゃねーし」

「どう見たって反抗期じゃん」



もうこんな会話もしょっちゅうで。




「とにかく!おばさん朝ご飯用意してくれてるんだから早く準備するんだよ!分かった?」

「………」

「チカちゃんっ!!」

「…わーったよ」



やっとのことで返事をしたチカちゃんに私は「よしよし」と頭を撫でてその場を立ち去った。





「ガキ扱いすんなっての」



後ろで不機嫌そうに何かを言った気がしたけど、いつもの反抗だろうと特に気にはしなかった。