*** カランコロン……──。 美鈴が、力一杯にお店の扉を開けた。 「…いらっしゃい!」 奥の方から出てきたのは、 30代か、40代くらいのおばさんだ。 雰囲気は、どことなく優しい感じ。 俺のかぁちゃんも、こんな優しい感じでいてくんねぇかなぁ。 お店の中は、ガランとしていた。 洋服はなん着かしかなくて、見た感じは、うちら若い世代が切るような年代物は置いてない。