川野くんはエナメルバックからタオルを出してあたしに渡した。



「これで髪拭いて。 あ、つぼみ一緒に保健室まで行ったあげて」


「うん!分かった」

ハンカチはもう濡れてしまったので、川野くんが渡したタオルで髪を拭く。あたしは山下と一緒に教室から出た。


「うわぁー。制服も濡れちゃったね」

山下は笑顔で話しかけてくる。


「うん」

あたしは頷くだけ。 上手く喋れそうにない。


水道で流そうかと思ったがさらにびしょびしょで保健室に行くのは嫌だからもう保健室に向かうことにした。


あたしと山下は保健室に入った。 山下は保健室に入ると先生に話した。


「先生!木原さん、頭に飲み物溢したみたいで水道借りてもいいですか?」


「え、えぇ。いいわよ」
先生もあたしの髪が濡れているのをみて驚いた様だ。



保健室の水道はお湯もでるから、先生は蛇口をお湯の方の向きに変えて出した。


「あ、お湯になったわよ」


あたしは髪を洗い流した。水道のお湯かわからないが自分の目から涙を流していた気がする。

先生はあたしにタオルを渡した。あたしはタオルで髪を拭いている。

「先生、 山下さんはどこに?」