そして、私はまた奇跡を信じている。 あの日交わした約束─────。 『もしもお前が1年後も俺を忘れていなかったら、あの雪の日に会った場所で、6時に会おう』 もしかしたら、ケンくんは忘れてしまっているかもしれない。 もしかしたら、ケンくんは来ないかもしれない。 それでも、今日だけは諦めずに待ってみようと思った。 あの日の真実を知るためにも。 私は第2ボタンを握りしめながら、6時になるのを複雑な気持ちで待った。