「……美味しい」
なんだかよく分からないけど、ホッとする。
そんな味だった。
「そういえば、咲夜様は小此木家のお話はされたのですかな?」
「まだしてないよ。これからしようと思ってたんだ」
「そうですか。それでは僭越(せんえつ)ながら、この垣内がその説明役を拝命いたしましょう。しばしお待ちを」
そう言って垣内さんは一旦(いったん)座敷を出て行った。
二人っきりになった座敷は静寂に包まれ、なんとなく居心地が悪い。
垣内さん、早く戻ってきてくれないかなぁ?
それから間もなくして垣内さんは戻ってきた。
「お待たせしました」
垣内さんは手に巻物と一冊の本を持っている。
その巻物を机の上に広げると、それは小此木家らしき家系の家系図だった。
「お察しの通り、これは小此木家の家系図になります。そして、今ご存命の世代がこちら」
家系図の一番下の方、下から四世代分がそれに当たるらしい。
咲夜さんの名前も下から二番目の世代の所に名前があった。



