再会からそれは始まった。

「おーい! 花さん。」

金沢君の揺さぶりで、眼が覚める。
「うーん、、。もうちょっと寝かせて。。。」

金沢君の呆れた声が上から聞こえる。
「いくらなんでも無防備じゃないですか? こんなとこで寝ちゃって。浮浪者じゃあるまいし。。。」

「うーるーさーいー。」
私は、掛けられた毛布を引き上げて頭からかぶる。

「起きないと、ここで襲いますよ。」

「はい。はい。どうぞ。」

「え、マジでいいんですか?」

「……ん? いや、無理無理。」
ガバっと起き上がる私の頭と、私の上に今こそ覆い被さろうとしている金沢君の鼻の頭がガッツーンとぶつかる。

「いってーーーーー!」
金沢君は、鼻を抑えてしゃがみこんで痛みをこらえる。

「あ、ごめん。」

「いしあたまっすね。」
涙目で金沢君は慌てて体制を整える。

「このゲラ、寝ている間にチェックしましたよ。 ありがとうございます。本当に寝ずに一晩で申し訳ないです。
しかし、この部分の訂正って誰がしたんですか?」

「え?どれ?」

「これ。」

「、、、、、、わかんない。」

「ふうん。。でも確かに、この方がいいかも。」

「うん。」

「コレで取り敢えず上に通してみますね。花さんは、まっすぐおうち帰って休んでください。」
ゲラをまるめて、金沢君は急いで上の事務所に行く準備をする。

「どうも。ヨロシク。」

「ちゃんとお風呂入って。クサイですよ。」

「なー!うるさい!それも君と君のボスのせいだー!」