飲みも中盤になったところで、私がトイレから戻ると、金沢君がまじめな顔で聞いてくる。
「花さん」
「うん?」
私は、はまちのお刺身を一切れ口にほおり込む。
「おいしい!」
「僕、この間、ボスと帰りが一緒になったんですよ。」
「え?」
私は、ちょっと目が泳ぐ。 何か聞かれるのかな。
ゆっくりとかんで、ごくりとお刺身を飲み込む。
松山さんが静かな声で
「もう、単刀直入に聞いちゃいなさいよ。」
「ボスと花さんって一緒に住んでるってほんとっすか?」
金沢君は、ぐいっと前に乗り出してそう聞く。
松山さんもだまってその能面のような怖い顔で、私の顔を見る。
「・・・・・えっとお・・・」
私は動揺して、箸を止めて目をそらす。
松山さんの冷たい蛇のような視線が刺す。
「白状しちゃいなさいよ。こっちは薄々気が付いているんだから。」
そう言われるともう何も言えない。
私は、二人に取り調べをうける犯人のようにひとつひとつ白状することになってしまった。


