みんなと別れてからやっと半分の地点にたどり着いたのは、月が顔を出し始めた頃。


今宵の月は昨日よりふっくらしていた。


輝きは相変わらずで、美しい金色だ。





疲れきった足を休めるべくテントを張って足を投げ出す。



これだけじゃ全身も疲れが取れないと判断し、今度は身を沈めた。





「あーー、疲れたーー」




声に出してみると案外身が軽くなった気がした。



体勢をうつ伏せに替え、紙切れをポケットから取り出してそれを眺める。




あと半分とちょっとで着くだろう。





今夜はここで野宿だけど、向こうではちゃんと休めるのか?


そこ一番重要だから。





てか、この服で大丈夫か!?




黒のレーザージャケットに黒のインナー。
そして黒のボトムス。



装飾だって黒だ。




明らかに『悪』をアピールしている格好だ。





「……これは、マズイかな」





金なんて貯めていた分を持ってきただけで、そんな贅沢できるような金は持っていない。


女とは思えないほどの体勢で今後の行動について考えていると、お腹の虫が鳴った。





「あー……何でもいいから食べたいな~」



とりあえずリュックの中を探ってみた。