本当に触れるだけの、軽いキスをした。
されている側の男の子から、いつまでひっついてんだ、という気持ちがビンビン伝わってきたけれど、シャッターチャンスなので数秒は続けないといけないんだよ。
本当にわかってないな。
これだからシロウトは。
でも、……これは。
実際にしてみて思ったけど、逆に、相手が雪夜でよかったかも。
まったく知らない男の子に何食わぬ顔でほっぺチュウできるほど、わたしは余裕のある女じゃない。
「ほんとにおめでとうっ。これからのより一層の活躍を期待してます!」
最後にぎゅっと両手を握ると雪夜の顔が引きつった。
おまえよくやるな、
と誰にも聞こえない声で言われたので、
うるさいよ、
と笑顔のまま小さな口パクで返した。
わたしはプロだ。
このあとする予定の“一日デート”も、わたしが専属モデルをしている雑誌に載ることが決まっているので、バチバチに全力で取り組んでやる。



