パーフェクト・インパーフェクト



結局、日課のストレッチをしたり、乾いた洗濯物をとりこんで畳んだり、早めに夕食の準備にとりかかったりしていたら、いつのまにか夕方になっていた。

エビやイカのシーフードドリアはあとオーブンに突っこんで焼くだけだし、つけ合わせのチキンのトマト煮込みもじっくりコトコト煮込めたし、コブサラダの色合いも完璧だ。


帰りは18時過ぎころになるらしい。

お昼ごはんの時間帯、彼からそうメッセージがきた。


「あと1時間かあ」


短いようでとっても長い。

待つ時間というのはいつだって永遠のようだよ。


スマホを眺めながら意義なく過ごすのももったいないし、やっぱりちょっとした掃除でもしてみようかな。

掃除する場所を探すほうがむずかしそうだけど、そうしていたらきっとが体感時間も短いはずだ。


リビング、ダイニング、キッチン、バスルーム、トイレ、完全無欠にきれいにしているのにいちいちガックシしながら、最後にベッドルームを探索した。


まちがえた、探索じゃない。

これはれっきとした掃除です。


「……だめだめ、邪心は捨てないと……」


それでも無意識に、潜在的に、たぶんこれは本能の部分で、どうにもアンテナを張ってしまう。


昔のことはあまりしゃべってくれない彼の、仲間にさえ秘密主義なところがあるという彼の、いつもはぐらかしてばかりな彼の――“正体”がわかるようななにかが、どこかに転がってはいないものかと。