「……はたちになったら、の約束は、守ってくれる?」
いつのまにか、はだけていた服を完璧に元通りにしてくれた彼が、小さくうなずいた。
ちょっと笑っている。
なんなの、
今度は、なんの笑いなの。
「あー俺、こんなに押しの強いコたぶんはじめて」
「ねー、それって誰と比べてるわけ! ていうか『たぶん』ってなに!」
「ごめん、そういうんじゃないよ」
ふふ、と、はは、のあいだ。
かみ殺すみたいに、でも抑えきれないってふうに、笑いながらベッドに連れていかれたから、しょうがなく素直にいっしょに潜りこんだ。
思い出す隙もないくらい、雪夜のことなんかもうすっかり忘れていた。
頭のなか、心のなかも、体じゅうも、ぜんぶぜんぶ、もう俊明さんだけだよ。
ねえ、いったいどんな魔法を使ったの?



