✧︎*。
お菓子作りならウチがいちばんぜんぶ揃ってるから、
と、季沙さんは瀬名さんとの自宅に招いてくれた。
しかも「こうちゃんは追い出しとくね」との追記付き。
なんだか申し訳ない。
ふたりの暮らしているマンション、インターホン越しに「どうぞ」と言われて赤いドアを引っぱると、出迎えてくれたのはまったく見覚えのない女性だった。
部屋を間違えてしまったのかと焦る。
「季沙さん大変! ほんとに上月杏鈴ちゃんがやって来た……!」
大人っぽい黒のワンレンボブを揺らし、彼女は部屋の奥に向かって叫んだ。
あれ?
どうやら、部屋は間違えていなさそう。
「はじめまして、真島蒼依といいます! 都内の大学に通ってる、ただの学生です!」
「あ……あなたが!」
噂の“あおいさん”!
事前に聞いてはいたんだ。
弟さんの彼女さんの“あおいさん”と、アキさんの奥様と、3人でチョコを作る予定があるから、よかったらその日にいっしょにどう?って。
「はじめましてっ、上月杏鈴です! きょうは突然おじゃましてしまって……」
「いやいや、そんな、めっそうもない! こちらこそお会いできて光栄です!」
ちょうどお仕事がお休みの日だったから喜んで承知した。
むしろ、そんなところにおじゃましてしまって大丈夫なものか不安だったけど、あおいさん……すごくいい人そうだ。
お菓子作りならウチがいちばんぜんぶ揃ってるから、
と、季沙さんは瀬名さんとの自宅に招いてくれた。
しかも「こうちゃんは追い出しとくね」との追記付き。
なんだか申し訳ない。
ふたりの暮らしているマンション、インターホン越しに「どうぞ」と言われて赤いドアを引っぱると、出迎えてくれたのはまったく見覚えのない女性だった。
部屋を間違えてしまったのかと焦る。
「季沙さん大変! ほんとに上月杏鈴ちゃんがやって来た……!」
大人っぽい黒のワンレンボブを揺らし、彼女は部屋の奥に向かって叫んだ。
あれ?
どうやら、部屋は間違えていなさそう。
「はじめまして、真島蒼依といいます! 都内の大学に通ってる、ただの学生です!」
「あ……あなたが!」
噂の“あおいさん”!
事前に聞いてはいたんだ。
弟さんの彼女さんの“あおいさん”と、アキさんの奥様と、3人でチョコを作る予定があるから、よかったらその日にいっしょにどう?って。
「はじめましてっ、上月杏鈴です! きょうは突然おじゃましてしまって……」
「いやいや、そんな、めっそうもない! こちらこそお会いできて光栄です!」
ちょうどお仕事がお休みの日だったから喜んで承知した。
むしろ、そんなところにおじゃましてしまって大丈夫なものか不安だったけど、あおいさん……すごくいい人そうだ。



