「へえ~?」
思い出してひとりでムギュムギュしていたら、目の前でリアがニヤついているのに、ぜんぜん気づかなかった。
「な、なにっ」
「んーん? すっごく好きなんだなあと思って。アンちゃんのそんな顔、はじめて見ちゃった」
彼といっしょにいるときとはまた別の恥ずかしさで、体が爆発しそう。
なんとかおさめようとシャンメリーを瓶ごとあおいでいると、今度はチーズたっぷりのピザに手を伸ばしたリアが目を伏せて笑った。
いくら食べても太らないどころか、おっぱいにしか栄養がいかない体質がうらやましい。うらめしい。
「でもさ、ホントによかったよ。アンちゃんが大好きだって思える人にめぐり会えて」
歳はひとつしか変わらないけど、恋愛偏差値は合計で1兆分の差がある友達が、本当にうれしそうに笑った。
なんだか雲の上にいるみたいな笑顔。
「たぶんアンちゃん、これからもっとかわいくなっちゃうよ。大切にしないとね」
そんなふうに言われるともうなんにも口答えできなくなるよ。
友達に自分の恋を応援してもらえることがこんなにうれしいなんて、彼を好きにならなかったら、ぜったいに知らなかったことだ。
「で、どうだった?」
「どうって?」



