「はあああ……どうしよう、信じらんない……」
髪を丁寧に洗い、体を念入りに磨きながら、彼は今夜わたしを食べちゃうんだろうか、なんてバカみたいなことを考えた。
いつもの調子でうまいこと懐柔されて、わけわかんないまま素っ裸で朝を迎えていたら、どうしよう。
想像するだけで口から心臓が出てきそう。
だけど、子ども扱いされて、なにも起こらずに別々の場所で朝を迎えたらと思うと、そっちのほうが言いようがないほど切ない気がした。
わたしは今夜、彼に食べられちゃいたい、
のかもしれない。
おうちに行きたい、とか。
もっとさわってほしい、とか。
自分がそんなふうに考えちゃうような変態だとは思ってもみなかった。
なんだかすごく恥ずかしい。



