「狼のあの大きな鉤爪で、うさぎを捕まえることなんて簡単ですから」


うさぎは思い出しました。
お母さんうさぎを隠してしまった大きな鉤爪を。

うさぎは悲しくなって泣きはじめました。
声を出して泣きました。


「そんなに泣いたら、狼に気づかれてしまうじゃないかっ」


フクロウは木の枝から飛び降りると、大きな鉤爪を開きながらうさぎに向かってきました。