もちろん返事など返ってこない。 私はあの家を売り、大学を中退してこの街から…志樹から離れようと考えた。 大げさな気もするけど…こうでもしないと私はいつまでも志樹を想い続けることになる。 「離れててもお参りには必ず来るね」 そう言ってもう一度手を合わせた。両親に言葉を送り立ち上がろうとした瞬間、誰か背後から声をかけられた。 「このみ…...」 「え…...?」