「婚約者が……癇癪が激しい人で気に入らない事があると手を挙げてくるの。 ご飯が好みじゃなかった、自分の思い通りにならなかった、酷かったのは目が合っただけでも歩けなくなるくらいに蹴られた事かしら。
両親にも相談したわ。 そうしたら、婚約者が怒るほどだから私が何かやらかしたんじゃないかって責められたわ。
もう、どうすればいいのかわからなかった。 ずっとわたしが悪いんだ、両親の言う通りに我慢するしかないんだって思うしかなかったの。 ……そんな時にであったのが秀一さんだった」
日常のなかであったすれ違い、そんな些細な行動がお母さんの沈んだ心を動かしたんだそう
繕ってもすぐにボロボロになってしまう作業着を着て、毎日朝から夜遅くまで汗をかいて必死に働いていたお父さん
初めて話をしたのはあの教会
当時、誰も使わない程の荒れ果てた教会がお母さんが唯一心休めた場所だった
それが偶然にもお父さんも安心できる場所だ、と初めて話をしたのももしかすると何かしらの運命かもしれないと笑いながら言った



