「ちゃんと言うよ、翼と付き合っているって。 幸せにするって事も」
「……うん」
私の手をとって笑みを浮かべる星夜
思わず顔を赤らめてしまう
「また明日な。 おやすみ、翼」
「うん、星夜もおやすみなさい」
部屋は別方向の為、ここで星夜と一旦お別れだ
星夜の後ろ姿を見送り、私もお母さんがいる部屋へと向かう
職員は日勤、夜勤と勤務時間を交代するシフト制で夜勤の職員が泊まる部屋が二部屋ある
さらに、空室があちこちにあっての二部屋、それは外部から来た人の専用らしく、私はその内の一部屋をお母さんと泊まる
明日改めてお礼を言おうと思い、お母さんがいるはずであろう部屋に入った
お母さんは部屋に持ち込んだ紅茶をティーカップに注いでいた所だった
「ーーお帰り翼、ここまで迷わなかったかしら?」
「うん、大丈夫」
「そう、良かったわ」
ここまでくるのに道が入り組んでいてお母さんははじめは迷っていたそうだ