「知らないのは当然か……今日ねメンテナンスやら整備やらで電車は午後から運行しないの。 それをあえて承知していたなら泊まりセット必須だったんだけどー……」
女性は言葉を濁らせる
……という事は帰れないのは確実か
「…………もしかして日帰りの予定だった?」
「俺としてはそう思ってました」
「ダーヨーネー……」
ついには顔を両手で覆って深い溜め息をつく始末
今の事実は翼も知らないはずだ
……あれ? そういえば翼の父親も軽装だったよな
「……すみません、近くにコンビニとかありますか?」
「今、建設中~……。 日用品買える所あるけど、あそこ気まぐれだからなー……」
「羽衣ちゃん、悪いけど案内してくれる? 白浜先生の所行って事情説明してさ……」
「他の事はあたしらがやってるからさ!」
「わかりました。 星夜くん、急がないと閉まっちゃうから行きましょう」
「は、はい」
行ってらっしゃいと見送られ、調度外から入ってきた翼達と会う
事情を説明すると翼は父親と顔を見合せ「……泊まり?」と唖然としていた
同じタイミングで発した辺り、俺はやはり親子なんだなと今関係ない事を考えていた
side end.