「何々ー? この町では見ない顔だけどお名前は?」


「え? 新崎星夜です」


「随分若いけどいくつ?」


「十六、学生です」


「「「学生!!?」」」


何がそんなに驚く答えだったんだろうか


一斉にハモった返しにやや思考がついていけない


「羽衣ちゃん、ダーメーよ! いくら若く見えるからって未成年に手を出しちゃ……」


「そうだよ、江田先生ならともかく、雪に溶け込みそうな美しい風貌に惑わされちゃあ……」


「星夜くんだっけ? 悪いけど羽衣さんは他に相手がいるのよ。 諦める……じゃなくて手を引いて欲しいかなって…………ね?」


「ーー…………」


手を出す、相手がいる、手を引いて……


ーーそういう事か


「あの失れ「違いますよ~~! 星夜くんは決してわたしの相手じゃないですからぁ!」」


誤解です、と顔を真っ赤にして何度も首を横に降る


「じゃあ誰? 新しい入居者さん?」


「それも違います!」


プルプル震えているのは恥ずかしがっているのではなく、言うのを我慢している様だった