因みに食堂にはドアがない
そのためか仮に誰かが通る姿は丸見えで通る側もこちらの様子が丸見えとなる
入る側の端っこからこっそりと覗くように見ている人数は三人
翼の母親はまだ気付いていない
「ーー……やだー、誰ー? あの白髪イケメン君!」
「もしかして羽衣ちゃんのカレシさん!?」
「あら、羽衣ちゃんには江田先生がいるでしょ?」
「でも、江田先生の想いが可哀想な位一方通行なのよー?」
「周りが気付いているのに羽衣ちゃんだけがまっっったく気づかないのっ!」
「「「あははははっ!」」」
ヒソヒソを通り越してガッツリと聞こえているんだが……
「あの……羽衣さん。 …………あの方達は」
流石に無視するわけにもいかず、声をかけた
「あ、あらあら皆さんいつの間に?」
俺が言った事でやっと気づいたように慌てて立ち上がる
「あらあら、じゃないわよー! 説明して!」
三人の女性は容姿年齢それぞれだが親しげに母親の肩を抱き寄せた



