「わたし、翼に恨まれても仕方ないのよ。 昔から不器用で何もできなくて……娘が学校で大変な思いをしているのも知っていても自分の事で精一杯で…………最後に翼を置いてっちゃったの。

もう二度と会えないと覚悟していても、翼は今頃何をしているのかなって考えちゃって。 今更、都合がいいのもいい加減にしろって言われてもしょうがないわ」


ポタリと目から涙が流れて、テーブルに落ちる


「……ごめんなさい、わたしは翼の母親の資格なんて「全然、そんな事ないですよ」」


言い切る前に遮った


言ってしまったら、嫌でも認める事になってしまう


そんな事はさせない


「貴方は優しい人です。 普通なら自分の追い込んだ周りを許せなくなってしまう状況でも、自分を責めてしまう」


見た目だけじゃない、中身も翼と似ている


不遇の立場になっても周りを恨まずに幸福を祈る所が……