「羽衣さんが翼さんを置いていったのは、守るためです! もしかしたらこの町にまだ両親が、婚約者がいるかもしれない……もし気付かれてしまったら翼さんにも身の危険が迫るかもしれないと、恐れを感じたんです。

その時は私の力じゃ守りきれないと……けれどお母さんの役目は最後まで果たしたかった事を非常に後悔していたんですっ!!」


「……」


「お願いです。 羽衣さんと話をしてください。 離れていた分気まずいかもしれませんが、それでも羽衣さんは幸せになって欲しいんです。 束の間でもお母さんであって欲しいんです!」


震える手、ポタリと私の手に涙が落ちる


白浜さんは誰よりもお母さんを大切に思っている


それは、お父さんですら知らなかったお母さんの姿を見てきたからだろうか


その思いに、答えるためにも……


「白浜さんがお願いしなくても私は最初からお母さんと話をするつもりで来たんですよ。

でも、ありがとうございます。 これで自信が持てました」


私は白浜さんの目をしっかり見て笑みを浮かべた