「はじめは何が彼女を強くしたのかわかりませんでしたが。 暫くしてその答えが、直接羽衣さんの口から出たんですよ」
白浜さんは身体を向けて穏やかに笑う
「翼さん、貴方が羽衣さんの心の支えになっていたんです」
「……っ」
私が……?
「そ、そんな…まさか。 だって、お母さんは私の事……」
ーー嫌いになったから置いていったんじゃないの?
駄目だと思っても残っている不安と疑い
涙を流しながら抱き締められたのは、実は咄嗟の思いつきだったのではないか
本当は会いたくなかったんじゃないかって……
「け、決して違います! 羽衣さんは一度も貴方を否定する言葉は言っていません!」
私の意図を読み取ったのか白浜さんは私の手を取り、叫んだ
「部外者である私が言うのもおかしいと思いますが、羽衣さんは本当に娘の幸せを望んでします。 それは今も変わっていません!」
悲痛な声で口から言葉を絞り出していた