「……っ」


パステルカラーを基準としたワンピースの上に白のブランケットを羽織り、若い面影を残したままのお母さんが教会の入り口に立っていた


「……う、い?」


お父さんは目を見開いたまま声を震わせた


白い鍔の広い帽子を取り、お母さんはニコリと笑う


「何年振りでしょうね。 秀一さんの元気な姿に安心したわ」


少しだけ低くなったが変わらずに落ち着いた優しい声だ


「それに、わたしの愛しい娘が見ない間にこんなに大きくなって……!」


目に涙を浮かべて私の前に立った


手を伸ばして、目の前で一旦止まって、私の頬に触れる


その瞬間に私の中で何かが切れた


「元気にしてた? 身長追い越されてしまったわね。 可愛かったのが今じゃ綺麗になって……、わたし……何て言ったら…………」


「お、お母さん」


両目の視界がぼやける


「わ、私……ずっと…………ック、ずっと、あ、会いたかった」


ボロボロと涙を流しお母さんに抱きついた


「わたしもよ……」


お母さんの手が私の頭を撫でる


ゆっくりと動く手が温かく、心地のよさに目を閉じた