「「……」」
私達の視界の前には教会が建っていた
焦げ茶色の外装で彫られた十字架、窓にステンドグラスが埋め込まれている
同じく教会を見上げていたお父さんは懐かしそうに見上げている
「ここなの? お母さんと"はじめて会った場所"って」
「そうだ。 おれの時は……その、廃れていたというか長い間使われていた様子がなかったんだ」
「ーー新装したのは三年前みたいですね」
星夜がそう言ったのは教会の近くにたてられた石碑、時代の流れが掘られているのを見ていたから
石碑の近くに建てられた看板には〔出入り自由。 ただし、等の日付は除く〕と書かれた張り紙が張られていた
「……よかった。 今日は入れるんだな」
お父さんは嬉しそうに笑みを浮かべ、教会の中に入った
後を追いかけて中に入るとまず目に入ったのは台座に飾られた大きな十字架
長い椅子が何脚も左右に置かれておりカーペットが間を通っている
今の時間は太陽の光が射し込みステンドグラスに反射して幻想的な雰囲気を醸し出していた
「これは……驚いたな」
周りを見渡し星夜は感嘆な声をあげた
「中は昔のままだ。 当初とあまり変わっていない」
お父さんは奥の台座に置かれた十字架の前までいき、座り込む
そして、手を組んで目を閉じた