「そ、んなの……言える訳、ないだろう」
「……!」
「羽衣が出ていった後、翼を一人で育てていく自信がなかった。 成長するにつれておれは罪悪感が募っていった。 どんどん似てくる度に羽衣の泣き顔が目にちらついていた。
この時からおれは翼に嫌われたかったんだ。 嫌ってくれれば救われる、そう思った。
……だから、最低な父親を演じたんだ」
「そうね、酷い父親だと思ったわ。 けど、不思議と嫌いになれなかった、なれたら楽になれたのに」
ずっとこうすればお父さんは見てくれる
ああしたらいいんじゃないかとずっと試行錯誤していた
それはお父さんも同じだったんだ
「私、お父さんが今が幸せなら充分よ。 その場所を壊そうだなんて考えていない」
それが私の答えだ
元を辿れば私はただ笑顔を向けてもらいたかったんだ
簡単な事だった
簡単な事なのに気づけなかった、それだけだったんだ
「……翼、今まですまなかった。 謝っても許されないだろう。 だが、謝らせてくれ」
お父さんは泣きながら頭を下げた
「許すよ」と言っても、しばらくの間謝り続けた



