「……でも、ありがとう。 私の事心配してくれて、嬉しいよ。
――うん、それってきっと心強いわね」
「?」
笑った後にまるで自問自答をするかのように再び考え込む翼
「……うん。 私も星夜に来て貰う方が何かと救われると思う。 だけどこれってさ、星夜が言うんじゃなくて私が星夜にお願いするのよね?」
「あー…それは……俺が一方的に考えた訳だが」
「一方的じゃない…最後に決めるのは私だから。 きちんと伝えるものは伝えないとね」
そう言うや否や翼は正座になり、頭を下げる
「お願いします。 私にお父さんとお母さんを前に向かえられる力を私に下さい。 土曜日、付いてきて頂いてもいいですか?」
「……あぁ、わかった」
俺は翼の頭を上げさせ、言葉を続けた
「俺は翼の力になれるよう側にいる。 だから、翼は目の前の事に形振り構わず向き合っていけ」
「うん。 土曜日はよろしくね」
「こちらこそな」
俺と翼は笑いあった
その後は、大体の寝る時間になるまで別の話に変わり、その日は時間が過ぎていった



